婿養子って、そんなに肩身が狭いかな


友人のご主人は、婿養子です。
友人のお宅は、由緒ある家で、結構その地方では名前の知られた名家です。そこの跡取り娘が友人でした。友人は、他に好きな人がいたのですが、婿養子に入ってもらえる事が出来ず、その人とは別れ、親の勧めもあって、婿養子に入ってくれるという三男坊のご主人と結婚しました。
婿養子に入ってもらえるっていっても、その家は手広く農家や不動産業を営んでいるだけのことであり、ご主人はそのまま会社勤めを続けました。
家は、同じ敷地内に、別棟を建ててもらい、そこに二人で住んでいましたので、友人の親と顔を合わせることはあまりありませんでした。ですから、傍目からみると、別に、婿養子で名前は変わったからといって、それ以外には、ご主人が肩身の狭い思いをしているとは思えませんでした。
ですが、ある日、ご主人が浮気をしていることが発覚してしまったのです。会社の女性と、でした。友人よりも多少若い人ではありましたけど、ごく普通の女性で、どこがよくて浮気をしたのか、全然わからない、と彼女は言っていました。なぜ、発覚したか、といえば、携帯電話です。画面を見ようと思ったわけでもなく、最初に、メッセージの文章が数行見える、その文面がたまたま目に入ってしまって、彼女の知るところになりました。
両親に相談をすればよいのでしょうけど、両親が知るところになってしまえば、きっと婿養子の彼は追い出されることがわかっていますし、自分自身は、ご主人に対して未練はないものの、とりあえず、子どもの父親としては、よい人だったということもあり、どうしようか、散々悩みました。
ご主人は、婿養子ということがわかって結婚したつもりだったけど、やっぱり居心地が悪い、といい、一緒にいて、居心地の良さを感じる彼女のところにいってしまった、というのです。彼女のことは好きだけど、だからといって、離婚も困るし、ということで、結局、彼女とは別れる、というご主人を友人も許し、元のさやに戻ることになりました。
婿養子って、そんなに肩身が狭いことなのかな、と、今回の経験から、彼女が思っていることであり、以前よりもまして、ご主人をたてるようになり、涙ぐましい努力をしている姿が気の毒に思います。